竹皮をひんむいて中から出てくるのは、褐色で半透明のプルプルした物体。鹿児島には見た目がなんとも怪しい郷土菓子、「あくまき」というものがあります。
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あくまきは鹿児島の人が端午の節句に食べる縁起物。県民のお菓子の定番というわけではなく、ひな祭りに食べるひなあられのようなポジションです。ただ見た目による食わず嫌いや、独特な風味が苦手で食べたがらない男の子も少なくありません。季節を問わずどこでも売られているので、好きな人は年中食べています。
主材料はもち米で、食感や味は、歯ごたえの強いおもちといったところ。のどごしは滑らかで、お腹にすうっと入っていきます。きな粉や黒砂糖、しょうゆなど、好みの味に付けて食べることで、お菓子としてもご飯としてもOK。クセのある風味がいけるかどうかで、好みが分かれる食べ物でもあります。
作り方は、もち米を「灰汁水(あくみず)」に一晩中漬け込んだ後、竹皮に包んで縛り、6時間くらい煮込んだら完成です。灰汁水とは、雑木の灰を混ぜた水をろ過して取り出した、褐色の透明な液体のこと。完成したあくまきの、色や風味の元となっています。
あくまきは江戸時代に、戦争で保存のきく携帯食として発達したもの。灰汁水はアルカリ性で、漬け込むことでもち米は腐りにくくなります。おにぎりと違って1週間は持つあくまき。「文禄・慶長の役」とき、薩摩の軍勢があくまきで士気を大いに上げていた言い伝えがあるそうです。鹿児島の有名人・西郷隆盛も、西南戦争のときに持参していたそうな。
端午の節句で出されるのも、昔の戦陣食を食べて、男の子が強くたくましく育ってほしいという願いがこめられているからです。怪しい姿形の中に鹿児島の文化が詰まっているあくまき。鹿児島のお土産屋やスーパーでは1本400円前後で売られています。訪れたときは、奇妙な見た目から歴史まで堪能してみてください!
【取材したお店:梅木屋】
昭和3年創業の、あくまきに力を入れた製造業店。作り方は昔から一切変えていないため、「梅木屋のあくまきは懐かしい」という年配の方は多いのだそう。他にもこんにゃく、もち、かるかんなども販売しています。
http://www.umekiya.co.jp/SHOP/256788/list.html
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作り方は、もち米を「灰汁水(あくみず)」に一晩中漬け込んだ後、竹皮に包んで縛り、6時間くらい煮込んだら完成です。灰汁水とは、雑木の灰を混ぜた水をろ過して取り出した、褐色の透明な液体のこと。完成したあくまきの、色や風味の元となっています。
あくまきは江戸時代に、戦争で保存のきく携帯食として発達したもの。灰汁水はアルカリ性で、漬け込むことでもち米は腐りにくくなります。おにぎりと違って1週間は持つあくまき。「文禄・慶長の役」とき、薩摩の軍勢があくまきで士気を大いに上げていた言い伝えがあるそうです。鹿児島の有名人・西郷隆盛も、西南戦争のときに持参していたそうな。
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昭和3年創業の、あくまきに力を入れた製造業店。作り方は昔から一切変えていないため、「梅木屋のあくまきは懐かしい」という年配の方は多いのだそう。他にもこんにゃく、もち、かるかんなども販売しています。
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