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執事とじっくりメガネを選べる こだわりのメガネがそろう店「執事眼鏡」に行ってきた

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 メガネ男子・メガネ女子の皆さん、メガネ選び、どうしてる? そこそこオシャレなわりにプチプライス、おまけにスピーディに購入できる量販店で、デイリー用のメガネを選んでいる人は多い。しかし、毎日身に着けるものだからこそ、長く使えるいいものを真剣に選んでみない? “執事”による丁寧な接客が話題の「執事眼鏡 eyemirror」(東京・池袋)を訪れてみた。

【写真:メガネ選びを手伝ってくれる執事や店内の様子】

●執事スタイルに込めるのは「おもてなし」の気持ち

 執事眼鏡は池袋駅東口から歩いて10分ほど。玄関から趣があり、洋館を訪れているような気分になる。「いらっしゃいませ」とさわやかに迎えてくれたのは、ウワサ通りの執事のお兄さん……! 代表を務める朝倉鏡介さんだ。およそ9年間デパートのメガネ店で働いていた「メガネのプロ」である。そこを辞めて9月1日に「執事眼鏡 eyemirror」を開業し、現在は父親と2人でお店を回している。それにしても、なぜ執事スタイルなの?

 「低価格でメガネを販売するお店が増え、メガネ選びも流れ作業のようにすぐに終わる――最近はそういった傾向がありますよね。でも『(要望を細かく)聞いてほしい』というお客様は多いなと、(メガネ店に)勤めていたときから感じていました。お客様がゆったりできて満足のいく接客を受けられ、店側はお客様のこだわりに応じたメガネ選びを丁寧にサポートできればいいなと思い、このお店を立ち上げました」

 執事喫茶のように、執事を前面に押し出した店ではないという。あくまでもメガネという商品選びに、きめ細かく対応する執事が付いてくるという仕組みらしい。20〜30分はかかるという測定時間に、要望を聞いたり、デザインを選んだりする時間を合わせると、所要時間は2時間ほど。「一般のメガネ店の2倍はかかると思います」と朝倉さん。すべてオーダーメイドで作るので、メガネを渡すまでに1週間ほどかかる。

 測定・加工・調整までの一連の作業を担当するのは朝倉さんだ。これまで勤務していたお店で培った知識や技術が生かされている。ちなみに執事のトレーニングはと聞くと、ホテルマン用の研修を受けた程度だという。それでも会話をしていると「デパートでの接客歴9年」に心から納得。物腰やわらかで、紳士的、すべてが折り目立たしく控えめな姿は、まさに上品な執事そのものなのだ!

●口コミ強し! 全国から訪れるファンたち

 2人だけで営業していることもあり、接客をしていると、あまり電話に出られないこともある。そのためWebサイトには電話番号すら載せず、宣伝もほとんどしていない。しかし、9月のオープン時に一度Webのニュースに取り上げられたことがきっかけで、Twitterなどでお店のことを知ったお客が、続々と訪れるようになったという。正午〜午後3時ごろが狙い目で、午後4時以降になるとお客がどっと増える。

 1度訪れて気に入ったお客が、口コミで友人らに伝えることが多く、北は北海道、南は山口県まで各地からお客が訪れるようになった。特に土日にやってくる人が多い。取材日(平日昼ごろ)にも東北地方からお客が訪れていた。時間をかけた細やかな接客、品ぞろえがウケているようだ。ユニークな品ぞろえについては後で詳しく説明したいと思う。

 人は限定モノに弱い。「執事眼鏡 eyemirror」でしか販売していない独特のメガネもある。穴を開けたレンズにチャームを着けて楽しむという、メガネで個性を出せるスタイルだ。ハロウィンシーズンということもあり、かぼちゃやおばけのチャームが陳列されていた。「ディスプレイ用に作っていたのですが、お買い求めになるお客様が意外と多いんです」と、朝倉さんは驚きと喜びの入り交じった表情を浮かべていた。

●ターゲットは「オタク」な男女

 池袋にお店を出していることから、ターゲットはアニメやゲーム好きのいわゆるオタクな男女。立地的に特に女子のオタクが多いこと、また執事の格好で接客することから、女性割合がかなり高いと予想していたが、男女比は4対6と女性の方がやや多めというくらいだ。年齢層は20代前半が多い。「そろそろメガネにこだわりたい」という感覚で、じっくりとメガネ選びをするのは初めてという人が大半なのだとか。

 品ぞろえに関しては、JILLSTUART(ジル スチュアート)、less than human(レスザンヒューマン)、Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)など一流ブランドのものが多い。しかし力を入れているのは「オタク層に響くかどうか」というポイント。オタクの人たちに高い人気を誇る「アンダーリム(レンズ下部がフレームで縁取られたもの)」タイプのものが充実している。朝倉さん自身がアニメ好きであることも、品ぞろえに影響しているという。

 オタクの間で絶大な人気を誇るゲーム「東方project」のイメージメガネも、11月上旬から予約を開始するという。店内には見本が置いてあり、来店すると予約できる。ファンにとってはヨダレが出る代物なのではないだろうか。デザインもかわいい。

 普通は1年半〜2年の寿命だといわれるメガネだが、朝倉さんは「3年使えるものを販売したい」という思いがあり、耐用年数の長い丈夫な素材が使われた商品選びを心がけている。「かかりつけのお医者さんと同じく、かかりつけのメガネ店になりたいです」と真剣な瞳で語る。将来は秋葉原や大阪・日本橋への展開も考えているのだとか。オタクな人もオタクではない人も「ちょっといいメガネが欲しい」と思った方は、一度訪れてみてはいかが?

(池田園子)


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