今回も読者から寄せられた働き方に関する相談にお答えします。
Q:アシシさんはサッカーが大好きで、生活のすべてをサッカー観戦中心に進めているじゃないですか。そんなに好きなら、何でサッカーに関することを仕事にしないんですか? 僕もサッカーが好きで、できればサッカーに関わる仕事で食べていきたいけど、アシシさんが「仕事と趣味は切り分ける」みたいな生き方してるのを見ると、何でかなと思うんですよね。やっぱり仕事って、好きなことじゃないと続けていけないと思いますし。(ゴールデン英司・32歳・出版社営業)
労働対価をいただくには「相手本位の考え方」が必要
そもそも、仕事選びにおいて最も重要なのは、その仕事が好きかどうかではなく、自分に「適性」があるかどうかではないでしょうか?
好きなことでお金を稼ぐことができれば幸せなのかもしれないけど、人生そんなに簡単ではないと思います。「労働の対価としてお金をもらう」という行為は本当にシビア。独立してから、特にそう思います。
仕事では「自分の性格・能力に適合した職種」を選択し、その領域における専門性をひたすら伸ばしていくことが重要だと考えています。
何もズバ抜けて優秀になれというわけではなく、他者と差別化されたスキルを身につけること。そうすれば、ノマドとして食いっぱぐれずに生きていけることは、この連載コラムの第2回で述べたとおりです。
その仕事が好きかどうかというのは、自分本位の考え方であり、その仕事に適性があるかどうかは、価値を提供する先である「相手本位の考え方」だと僕は認識しています。
ゴールデン英司さんは「好きなことでないと仕事は続かない」とおっしゃっていますが、好き嫌いの感情なんて一生変わらない保証はどこにもありません。それよりも遺伝や環境などによって培われ、自分が好きか嫌いかとは関係なく、なぜか他人と違ってしまう自分の性格の方があてになるのではないでしょうか。
サッカー観戦旅と比べたらコンサル業なんて苦行以外の何物でもないですが、それでも僕は、神経質とも呼べるマメな性格を武器にして、最後にクライアントから言われる感謝の言葉を糧にコンサル業を12年間継続してやってきています。
それに加え、趣味でお金を稼ごうとすると、様々な弊害も出てきます。
「チームを献身的に支える」スタンスを守りたい
サッカー関係の仕事に就けば、サッカーを楽しみつつ、同時にお金も稼ぐことができて一石二鳥と思われるかもしれませんが、現実はそんなに甘くはありません。仕事においては当然ながら「お金を稼ぐ」ことを優先する場面が出てきます。
例えば、いま僕はAFC U-19選手権のサッカー日本代表を応援するために、アラブ首長国連邦(UAE)に来ているのですが、クウェート戦に1-0で勝利した後、僕らサポーターは現地在住の日本人たちと一緒にインド料理屋さんで祝勝会をしました。
そのときジャーナリストの方々は、試合結果を日本のサッカーファンに伝えるために、原稿の執筆に取り掛かっています。僕にとってサッカー観戦は、仲間と一緒に祝杯をあげるのとセットなので、試合後すぐに仕事に取り掛かるのは困難です。
また、僕も観戦ブログは書きますが、客観的な視点でサッカー記事を書く適性を欠いています。それだけに、海外の動向を迅速、的確に報道する仕事に携わる方々には敬意を抱いています。
それに、お金稼ぎを目的のひとつにすると、サポーターとして最も大事な「自分が応援するチームを献身的に支える」というスタンスを見失うおそれがあります。あくまで僕はチームをサポートするためにサッカーを追いかけているわけで、その部分はブレたくないです。
出版やメディア出演などで一部お金はもらっていますが、本業と比べれば雀の涙。旅の経費込みでの黒字化なんて目指すつもりは毛頭ないです。好きなことを仕事にしていたはずが様々な制約に追われて、いつしかつまらなくなっていた――。これが最も不幸なパターンではないでしょうか。(村上アシシ)
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労働対価をいただくには「相手本位の考え方」が必要
そもそも、仕事選びにおいて最も重要なのは、その仕事が好きかどうかではなく、自分に「適性」があるかどうかではないでしょうか?
好きなことでお金を稼ぐことができれば幸せなのかもしれないけど、人生そんなに簡単ではないと思います。「労働の対価としてお金をもらう」という行為は本当にシビア。独立してから、特にそう思います。
仕事では「自分の性格・能力に適合した職種」を選択し、その領域における専門性をひたすら伸ばしていくことが重要だと考えています。
何もズバ抜けて優秀になれというわけではなく、他者と差別化されたスキルを身につけること。そうすれば、ノマドとして食いっぱぐれずに生きていけることは、この連載コラムの第2回で述べたとおりです。
その仕事が好きかどうかというのは、自分本位の考え方であり、その仕事に適性があるかどうかは、価値を提供する先である「相手本位の考え方」だと僕は認識しています。
ゴールデン英司さんは「好きなことでないと仕事は続かない」とおっしゃっていますが、好き嫌いの感情なんて一生変わらない保証はどこにもありません。それよりも遺伝や環境などによって培われ、自分が好きか嫌いかとは関係なく、なぜか他人と違ってしまう自分の性格の方があてになるのではないでしょうか。
サッカー観戦旅と比べたらコンサル業なんて苦行以外の何物でもないですが、それでも僕は、神経質とも呼べるマメな性格を武器にして、最後にクライアントから言われる感謝の言葉を糧にコンサル業を12年間継続してやってきています。
それに加え、趣味でお金を稼ごうとすると、様々な弊害も出てきます。
「チームを献身的に支える」スタンスを守りたい
サッカー関係の仕事に就けば、サッカーを楽しみつつ、同時にお金も稼ぐことができて一石二鳥と思われるかもしれませんが、現実はそんなに甘くはありません。仕事においては当然ながら「お金を稼ぐ」ことを優先する場面が出てきます。
例えば、いま僕はAFC U-19選手権のサッカー日本代表を応援するために、アラブ首長国連邦(UAE)に来ているのですが、クウェート戦に1-0で勝利した後、僕らサポーターは現地在住の日本人たちと一緒にインド料理屋さんで祝勝会をしました。
そのときジャーナリストの方々は、試合結果を日本のサッカーファンに伝えるために、原稿の執筆に取り掛かっています。僕にとってサッカー観戦は、仲間と一緒に祝杯をあげるのとセットなので、試合後すぐに仕事に取り掛かるのは困難です。
また、僕も観戦ブログは書きますが、客観的な視点でサッカー記事を書く適性を欠いています。それだけに、海外の動向を迅速、的確に報道する仕事に携わる方々には敬意を抱いています。
それに、お金稼ぎを目的のひとつにすると、サポーターとして最も大事な「自分が応援するチームを献身的に支える」というスタンスを見失うおそれがあります。あくまで僕はチームをサポートするためにサッカーを追いかけているわけで、その部分はブレたくないです。
出版やメディア出演などで一部お金はもらっていますが、本業と比べれば雀の涙。旅の経費込みでの黒字化なんて目指すつもりは毛頭ないです。好きなことを仕事にしていたはずが様々な制約に追われて、いつしかつまらなくなっていた――。これが最も不幸なパターンではないでしょうか。(村上アシシ)
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