出産を経験したことのない女子にとって、妊娠は未知の世界。いったい体のどこがどう変わるのか、意外と知識を得る機会は少ないもの。
そこで、愛育病院産婦人科医長の中山摂子さんに、妊娠に関する素朴な疑問について教えてもらった。
(1)つわりって実際にはどうなるの?
「つわり」とは、妊娠にともなって起こる不快な症状を指す言葉。妊娠4週目(2カ月)~15週目(4カ月)頃までの妊娠初期に、体験する人が多いのだそう。妊娠時にのみ分泌されるホルモン(hCGホルモン)の影響だとする説もあるけれど、実はつわりの原因ははっきりとは解明されていないのだとか。吐き気や気分の悪さ、倦怠感、臭覚や味覚が過敏になる、食欲不振などがよく知られる症状だけれど、なかには食欲旺盛になる「食べづわり」に悩むひとも。いずれにしても、ほとんどの人が経験する妊娠の通過儀礼と言えそう。
(2)ヘアケアが大変になると聞いたのだけれど…?
妊娠15週目(4カ月)頃になると、つわりは多くの場合治まって精神的にも安定してくる一方で、体のあちこちに目立つ変化が表れてくる。妊娠中の体の変化は、主に、妊娠と同時に急変していくホルモンバランスによって起こるもの。髪が切れやすくなったりべたついたりするのも、ホルモンの影響なのだとか。そのほか胸が張る、味や香りの嗜好が変わる、耳がつまる、色素沈着、頭痛、便秘、発疹など、妊娠の全期間を通して、女性の体は変化し続けていくのだそう。
(3)赤ちゃんが男の子だとお腹が前にとがるって本当?
あと1カ月で出産! という時期を迎える妊娠36週(9カ月)頃、子宮は肋骨のすぐ下までの大きさになり、お腹も大きくせり出してくる。「とがったように前に突き出すお腹だと男の子が産まれる」などと耳にするけれど、科学的な根拠はまったくないのだそう。出生時の赤ちゃんの体重は3000g前後であり、妊娠中のお腹の形は、むしろママの体型によるものだと考えられている。大柄なママならあまり目立たず、小柄なママはお腹が前にせり出して見えることが多いみたい。
たった40週の間にドラマティックな変化を遂げながら、母になる準備を整えていく女性の体。その神秘的なメカニズムのほんの一部を知っただけでも、自分の体を尊いものに感じられそう!
愛育病院・産婦人科医長。東京女子医科大学卒業後、同大学産婦人科教室入局。平成6年より2年間の米国衛生研究所(NIH)留学を経て、平成9年より愛育病院に勤務。日本初の周産期センター(東京女子医大)の第3期生として入局以来、周産期医療を中心に活動。自身も44歳での出産経験がある。『35歳からの出産を選ぶあなたに』(亜紀書房)監修。
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(1)つわりって実際にはどうなるの?
「つわり」とは、妊娠にともなって起こる不快な症状を指す言葉。妊娠4週目(2カ月)~15週目(4カ月)頃までの妊娠初期に、体験する人が多いのだそう。妊娠時にのみ分泌されるホルモン(hCGホルモン)の影響だとする説もあるけれど、実はつわりの原因ははっきりとは解明されていないのだとか。吐き気や気分の悪さ、倦怠感、臭覚や味覚が過敏になる、食欲不振などがよく知られる症状だけれど、なかには食欲旺盛になる「食べづわり」に悩むひとも。いずれにしても、ほとんどの人が経験する妊娠の通過儀礼と言えそう。
(2)ヘアケアが大変になると聞いたのだけれど…?
妊娠15週目(4カ月)頃になると、つわりは多くの場合治まって精神的にも安定してくる一方で、体のあちこちに目立つ変化が表れてくる。妊娠中の体の変化は、主に、妊娠と同時に急変していくホルモンバランスによって起こるもの。髪が切れやすくなったりべたついたりするのも、ホルモンの影響なのだとか。そのほか胸が張る、味や香りの嗜好が変わる、耳がつまる、色素沈着、頭痛、便秘、発疹など、妊娠の全期間を通して、女性の体は変化し続けていくのだそう。
(3)赤ちゃんが男の子だとお腹が前にとがるって本当?
あと1カ月で出産! という時期を迎える妊娠36週(9カ月)頃、子宮は肋骨のすぐ下までの大きさになり、お腹も大きくせり出してくる。「とがったように前に突き出すお腹だと男の子が産まれる」などと耳にするけれど、科学的な根拠はまったくないのだそう。出生時の赤ちゃんの体重は3000g前後であり、妊娠中のお腹の形は、むしろママの体型によるものだと考えられている。大柄なママならあまり目立たず、小柄なママはお腹が前にせり出して見えることが多いみたい。
たった40週の間にドラマティックな変化を遂げながら、母になる準備を整えていく女性の体。その神秘的なメカニズムのほんの一部を知っただけでも、自分の体を尊いものに感じられそう!
愛育病院・産婦人科医長。東京女子医科大学卒業後、同大学産婦人科教室入局。平成6年より2年間の米国衛生研究所(NIH)留学を経て、平成9年より愛育病院に勤務。日本初の周産期センター(東京女子医大)の第3期生として入局以来、周産期医療を中心に活動。自身も44歳での出産経験がある。『35歳からの出産を選ぶあなたに』(亜紀書房)監修。
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