親子丼は、卵がふわふわでとろとろの「ふわとろ」が絶品。だが、自宅でふわとろ親子丼を作るのはなかなか難しいもの。卵を2回に分けて入れるのが秘訣だそうだが、重要なのは、一にも二にもタイミングなのだとか。どのタイミングで卵を入れればよいのか、実際に映像を見ながら作れたら、絶品に近づくはずなのに・・・。
今年5月にスタートしたNTTドコモ(以下ドコモ)の「dグルメ」 は、レシピやレストランのランキング情報、お得なクーポンが月額400円で利用できるというサービス。スマホやタブレットの特性を生かし、動画で料理の作り方を紹介するコンテンツもある。dグルメを統括する同社ライフサポートビジネス本部の菊川裕司氏に、ねらいを聞いた。
――ドコモは今年の第1四半期の純利益が前年同期比23.8%増の1687億円と、業績好調だそうですが、そんな中「dグルメ」をスタートした理由を教えてください。
ドコモは事業を、携帯電話やスマートフォンによる通信だけでなく、「スマートライフ領域」という生活に密着したサービスにシフトしています。「食」の情報といえば、今までは男性は外食中心、女性は料理中心というイメージがあったと思いますが、料理する男性も増えたし、外食に行く女性も多い。食のトータルサービスにニーズがあるのではないかと考え、レシピサイトナンバーワンのクックパッドと、レストラン検索ナンバーワンの食べログ、そして全国で135店舗を運営し、28万人のお客さまが通う料理教室のABCクッキングスタジオ(以下ABC、数値は2015年9月現在)のコンテンツを今回初めてデジタル化するという最強アライアンスで、dグルメをスタートしました。
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――加入者数が順調に増えているそうですが、人気の理由をどう分析していますか?
加入者は3カ月で50万人を突破しました。「有料サービスの良いとこ取り」という言い方をしていますが、やはりクックパッド、食べログの有料情報であるランキング情報と、ABCの料理の作り方の基礎といったコンテンツの三つを、一つのサービスで提供しているところが受けているようです。
スマホやタブレットの普及で、レシピをご家庭のキッチンで見ながら料理するというスタイルができたのではないでしょうか。ABCさんのコンテンツでは、包丁の握り方とか、他人に聞きづらいところから用意しています。私も料理の初心者ですが、動画を使っているから分かりやすいし、聞く恥ずかしさもないのが魅力だと思います。
――三つのサービスを統合するに当たって、どんなことを心掛けましたか?
それぞれのサービスが独立して見えるのではなくて、ユーザーの皆さんの利用シーンに応じて「料理」「外食」「ニュース」と区切りました。料理にはクックパッドとABC、外食には食べログ、ニュースにはABCという具合ですが、例えば「パスタ」で検索すると、基礎から学べるABCのレシピと、ある程度作り方が分かる人向けのクックパッドのレシピの、両方が見られるようになっています。
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NTTドコモ 菊川裕司氏
――ABCのコンテンツを初めてデジタル化したとのことですが、どんな工夫をされましたか?
昨年1月に、ABCはドコモのグループ会社になりました。なぜドコモはABCをグループ会社に?と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、dグルメは、そのシナジーとして何ができるかを考えてきたことが発端になっています。
料理教室でレッスンを受けないと得られない内容が、今回初めてdグルメに提供されています。アニメーションGIFや動画を使って、分かりやすく説明しました。大きく分けると“料理の基礎”と“絶品料理”のレシピがあります。“料理の基礎”は生活に密着したものですが、普通に作るよりおいしくなるワンポイント情報が入っているので、そこが人気ですね。一方で“絶品料理”には特別感のある、例えば鴨のブルーベリーソース掛けといった本格的なものも入っています。
ABCさんのレシピは、非常にしっかりしたプロセスの中で選定されています。今までのレッスンの中で2、3万人が受講したという人気のものをまず選んでいます。試食会を何回もやったり、生徒さんにも入っていただいて生の声を反映させているそうです。クオリティーが担保されている、おいしいよね、というレシピになっています。
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――菊川さんも実際に試されたとか?
私も自宅のキッチンにタブレットを置いて、「ふわとろ親子丼」を作ってみました。料理工程をいかに短くするか、鍋をいかに少なくするか、ものすごく考えられているんですよ。調味液を作るんですが、それを割り下にも使って、鶏肉を照り焼きにするときにも使って、と両方に使えるように設計されています。料理教室ならではですよね。一番だしをとるのも、やってみたら意外と簡単にできました。分かりづらいところはしっかり動画で見せてくれます。親子丼では、卵を2回に分けて入れると説明していますが、どれぐらいのタイミングで入れたらよいか、文字で説明しても分かりにくい。でも動画だと分かりやすいでしょう。2回目はほぼ生で入れると、余熱で火が通っていい感じになるんです(笑)。家族にも食べてもらいましたが非常に好評でした。
ABCのコンテンツではニュースも人気ですね。厳選して毎日3本以上出していただいています。旬の素材の選び方、たとえば夏ならすいかのおいしい選び方などを紹介しています。ABCさんは食への感度が高くて、たとえばいち早くココナッツオイルにも注目していました。そんな食のトレンドに関する記事も書いてもらっています。
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――今おすすめのコンテンツは何ですか?
クーポンが付いてくるので、ぜひ使っていただきたいですね。食事が20%以上割引になるプレミアムクーポンと、500円でランチが食べられるランチクーポンがあります。ランチクーポンは月2回限定で、サービス開始当初は店舗数が少なかったですが、現時点で全国で3200店まで増えました。東京でも1000店を超えています。地域ごとではなく、例えば出張に行った先の福岡でもクーポンを使ってごはんが食べられます。まだまだ知られていないので、ぜひお店にスマホを持って行って、画面を見せて食べてください。マイエリアという、自分のエリアを登録しておくと、ランキングとクーポンの新着情報がすぐ見られる独自の機能もあります。
――では最後にdグルメの目標を教えてください。
生活に密着したサービスとして、まずはしっかりとお客さまに使っていただけるものにしたいです。たくさんの方に使っていただきたいので、もっとお客様の声を聞きながら、タイムリーに品質向上を図っていきたいと思います。
ちなみにdグルメで検索されているキーワードで多いのは、季節に関するものだそうで、今のトップは「栗」だとか。あなたはホクホクの栗を使った料理を食べに行きたい? それとも作ってみたい?
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