旅先で思いがけずおいしいものに出会うとうれしいものだ。週末、松山へ取材に行く途中で食べた七厘バーベキューがすごかった。
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訪れたのは、しまなみ海道の途中にある「よしうみいきいき館」という道の駅。船好きなので、ここから出ているという「来島海峡急流観測船」に乗るのが目当てだった。
で、着いて時間を確認すると、次のツアーまでまだ1時間以上ある。時刻は朝の9時20分。こんな時間じゃお店も開いてないだろうし、どうやって時間をつぶそうか……と施設内をうろうろしていると、ふと山盛りの牡蠣が目に入った。
正確には、牡蠣の上の値札に目がとまった。1個100円!? 思わず見返してしまったが、何度見てもやっぱり100円だった。「食べてくかい? 七厘を借りればそこで焼いて食べられるよ」とお店のおばちゃんが言う。新鮮な牡蠣をその場で焼いて食べられるなんて、僕は夢でも見ているのだろうか。気付けば僕は「焼きます! ここで食べます!」と即答していた。
●こんなにおいしいのに1個100円だなんて……!
七厘のレンタル料は200円、さらに大きめの牡蠣を3つ買って300円。や、安すぎる……! せっかくなのでほかにも、トコブシ、はまぐり、鳥串など適当にカゴに放り込んだ。
清算を済ませると、テーブルにはもう七厘が用意されていた。まずは平らな方を下にして1〜2分、続いてひっくり返して2〜3分。生食用ではないので、よく火は通した方がいいらしい。中の汁が煮立って、殻のスキ間からシューシューと湯気が出はじめたら食べごろだ。
まずは何も付けず、そのままの味を楽しむ。身はぷりっとしていて大きく、とても100円とは思えない。前歯でぷちっとかみ切ると、身がはじけて口いっぱいに磯の香りが広がった。うひゃあああああ。幸せすぎて思わず声が出そうになる。まだ朝の9時半なのにごめんなさいごめんなさい。
2個目はしょうゆをちょっと垂らしてみた。焦げたしょうゆの香りが、牡蠣の風味をさらに引き立てる。海のうまみと畑のうまみが複雑に絡み合ってもうたまらない。牡蠣にしょうゆがこんなに合うなんて! やばい、牡蠣3個じゃぜんぜん足りないぞ。
●肉、野菜、魚介類、何でもあります
トコブシ、鳥串は大きいので焼けるのに時間がかかる。その間にゆっくり、お店の中をうろうろしてみることにした。
この「よしうみいきいき館」は、尾道から今治を結ぶ通称「しまなみ海道」の途中にある道の駅。下田水(しただみ)の港にも面していて、港からは来島海峡の大渦を間近で観察できる「急流観測船」も出ていたりする。とれたての海の幸をその場で焼いて食べられる「七厘バーベキュー」や、土日祭日に行われる「島じゃこ天」の実演販売がここの名物なのだそうだ。
さっきは牡蠣にばかり目をとられていたが、落ち着いてよく見ると鳥・肉・野菜などほかにもいろんな食材が売られていた。お店の一角には調味料コーナーもあり、味が付いていないものは自分で好きな味を付けて食べる。ビールやソフトドリンクの自販機もあるので、朝っぱらからお酒だって飲めてしまう。
特筆すべきはやはり海の幸の充実ぶりだろう。イカ、エビ、ホタテ、牡蠣、サザエ、ハマグリなどはもちろん、マテ貝や緋扇貝など、ほかではあまり見かけないような貝も売られていた。値段は高いものから安いものまでピンキリで、大きめのトコブシだと1個1000円くらいするが、サザエが100グラム230円だったりと、全体的にはやはり安い。ついいろいろ食べたくなって、エビやらマテ貝やら追加で買ってしまった。
いろいろ買った中でも、特に絶品だったのが「マテ貝」。ややグロな見た目で敬遠していたものの、お店のおばちゃんが「これがおいしいのよ!」とオススメするので、食べてみるとこれが本当にうまかった。外側はシコシコとほどよい歯ごたえがあり、筒状の身の中にはコクのあるキモがたっぷり。地元ではバター炒めにしてよく食べるそうだ。僕はシンプルにしょうゆでいただいたが、それでも目からウロコが落ちるおいしさ。こんなのバター炒めにしたら絶対おいしいに決まってるだろ!
食材は季節によって変わり、牡蠣1個100円は12月から3月までの期間限定フェアーとして開催中。5人以上の団体なら、3日前までに予約しておけば食べ放題コースも選べるそうだ(男性3000円・女性2500円)。
今の時期の牡蠣は加熱用だが、4月下旬くらいからは生牡蠣もメニューに加わる。また8月〜9月ごろになると、今度はウニが絶品らしい。ウニ! そういえば尾道はウニの産地としても有名なのだった。
●3500円でおなかいっぱい。牡蠣メインなら1500円でも十分!
そうこうしているうちに、気付けば急流観測船の出港時間が迫っていた。満腹になるまで食べて、ビールも飲んでお会計は3500円くらい。思わず興奮していろいろ買ってしまったが、牡蠣中心に攻めれば1500円くらいでも十分お腹いっぱいになれそうだった。
尾道方面から来る場合、大島北インターから車で20分ほど。東京からだと飛行機・電車・高速船を乗り継いでも4〜5時間はかかる距離だが、ぜひまた来たいと思った。いや、来よう! ようし、今度はウニがおいしくなるという8〜9月だな!
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訪れたのは、しまなみ海道の途中にある「よしうみいきいき館」という道の駅。船好きなので、ここから出ているという「来島海峡急流観測船」に乗るのが目当てだった。
で、着いて時間を確認すると、次のツアーまでまだ1時間以上ある。時刻は朝の9時20分。こんな時間じゃお店も開いてないだろうし、どうやって時間をつぶそうか……と施設内をうろうろしていると、ふと山盛りの牡蠣が目に入った。
正確には、牡蠣の上の値札に目がとまった。1個100円!? 思わず見返してしまったが、何度見てもやっぱり100円だった。「食べてくかい? 七厘を借りればそこで焼いて食べられるよ」とお店のおばちゃんが言う。新鮮な牡蠣をその場で焼いて食べられるなんて、僕は夢でも見ているのだろうか。気付けば僕は「焼きます! ここで食べます!」と即答していた。
●こんなにおいしいのに1個100円だなんて……!
七厘のレンタル料は200円、さらに大きめの牡蠣を3つ買って300円。や、安すぎる……! せっかくなのでほかにも、トコブシ、はまぐり、鳥串など適当にカゴに放り込んだ。
清算を済ませると、テーブルにはもう七厘が用意されていた。まずは平らな方を下にして1〜2分、続いてひっくり返して2〜3分。生食用ではないので、よく火は通した方がいいらしい。中の汁が煮立って、殻のスキ間からシューシューと湯気が出はじめたら食べごろだ。
まずは何も付けず、そのままの味を楽しむ。身はぷりっとしていて大きく、とても100円とは思えない。前歯でぷちっとかみ切ると、身がはじけて口いっぱいに磯の香りが広がった。うひゃあああああ。幸せすぎて思わず声が出そうになる。まだ朝の9時半なのにごめんなさいごめんなさい。
2個目はしょうゆをちょっと垂らしてみた。焦げたしょうゆの香りが、牡蠣の風味をさらに引き立てる。海のうまみと畑のうまみが複雑に絡み合ってもうたまらない。牡蠣にしょうゆがこんなに合うなんて! やばい、牡蠣3個じゃぜんぜん足りないぞ。
●肉、野菜、魚介類、何でもあります
トコブシ、鳥串は大きいので焼けるのに時間がかかる。その間にゆっくり、お店の中をうろうろしてみることにした。
この「よしうみいきいき館」は、尾道から今治を結ぶ通称「しまなみ海道」の途中にある道の駅。下田水(しただみ)の港にも面していて、港からは来島海峡の大渦を間近で観察できる「急流観測船」も出ていたりする。とれたての海の幸をその場で焼いて食べられる「七厘バーベキュー」や、土日祭日に行われる「島じゃこ天」の実演販売がここの名物なのだそうだ。
さっきは牡蠣にばかり目をとられていたが、落ち着いてよく見ると鳥・肉・野菜などほかにもいろんな食材が売られていた。お店の一角には調味料コーナーもあり、味が付いていないものは自分で好きな味を付けて食べる。ビールやソフトドリンクの自販機もあるので、朝っぱらからお酒だって飲めてしまう。
特筆すべきはやはり海の幸の充実ぶりだろう。イカ、エビ、ホタテ、牡蠣、サザエ、ハマグリなどはもちろん、マテ貝や緋扇貝など、ほかではあまり見かけないような貝も売られていた。値段は高いものから安いものまでピンキリで、大きめのトコブシだと1個1000円くらいするが、サザエが100グラム230円だったりと、全体的にはやはり安い。ついいろいろ食べたくなって、エビやらマテ貝やら追加で買ってしまった。
いろいろ買った中でも、特に絶品だったのが「マテ貝」。ややグロな見た目で敬遠していたものの、お店のおばちゃんが「これがおいしいのよ!」とオススメするので、食べてみるとこれが本当にうまかった。外側はシコシコとほどよい歯ごたえがあり、筒状の身の中にはコクのあるキモがたっぷり。地元ではバター炒めにしてよく食べるそうだ。僕はシンプルにしょうゆでいただいたが、それでも目からウロコが落ちるおいしさ。こんなのバター炒めにしたら絶対おいしいに決まってるだろ!
食材は季節によって変わり、牡蠣1個100円は12月から3月までの期間限定フェアーとして開催中。5人以上の団体なら、3日前までに予約しておけば食べ放題コースも選べるそうだ(男性3000円・女性2500円)。
今の時期の牡蠣は加熱用だが、4月下旬くらいからは生牡蠣もメニューに加わる。また8月〜9月ごろになると、今度はウニが絶品らしい。ウニ! そういえば尾道はウニの産地としても有名なのだった。
●3500円でおなかいっぱい。牡蠣メインなら1500円でも十分!
そうこうしているうちに、気付けば急流観測船の出港時間が迫っていた。満腹になるまで食べて、ビールも飲んでお会計は3500円くらい。思わず興奮していろいろ買ってしまったが、牡蠣中心に攻めれば1500円くらいでも十分お腹いっぱいになれそうだった。
尾道方面から来る場合、大島北インターから車で20分ほど。東京からだと飛行機・電車・高速船を乗り継いでも4〜5時間はかかる距離だが、ぜひまた来たいと思った。いや、来よう! ようし、今度はウニがおいしくなるという8〜9月だな!
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